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最高裁判所第二小法廷 昭和23年(れ)1449号 判決 1949年2月22日

主文

本件上告を棄却する。

理由

辯護人長野国助第二點について。

本件に適用ある舊刑訴第三四九條(及び同第四〇七條)によれば、檢事が事実及び法律の適用について意見を述べる方式については何等の定めはなく、要は如何なる事実と認定せられることが相當であり又之に如何なる法律を適用することが相當であるかとの意見が明らかにせらるれば足るものと解すべきである。而して原審における檢事が、所論の「原判決と同様に審判せらるるを相當と思料する」と述べたのは、事実について第一審判決の認定と同様に認定せられるのが相當であり、又法律の適用についても第一審判決と同様を相當とすると云う意であって、以上は控訴審においても檢事の意見の陳述として何等間然するところはないものと謂わねばならぬ。されば、所論の原判決が檢事の適法な意見を聽かずに判決したる違法ありとの論旨は全く理由のないものである。(その他の判決理由は省略する。)

以上の理由に依り、刑訴施行法第二條並びに舊刑訴第四四六條に從い主文のとおり判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見に依るものである。

(裁判長裁判官 霜山精一 裁判官 栗山 茂 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎)

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